studio HAIYAMA
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CG習作/アルドロッシ・パルチザン記念碑

広島大学工学部建築学科
1989年度ゼミ


 今日CADと呼ぶ手順のことを、以前はCG(computer graphics)と呼んでいた。「CGを入れる」となると専用ハード共で1000万円台のもの入り(バブル全盛でそれでも売れた)、したがって金の無い大学研究室で「CGをやる」とは、透視変換等の原理を書いた数学書を買って、フォートランとかベーシックでプログラムを書くことを意味した。とりあえずの目標は、当時パースの練習課題に使っていたアルドロッシ設計のパルチザン記念碑。ワイアフレーム図形はすぐ書けたが、レンダリングプログラムの制作は−専門外の遊びだったので−大変だった。



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解説と言い訳
 最も一般的な三次元CADは、物体を多角形に還元して効率よく透視変換する、いわゆるポリゴン(ポリゴーナル)方式と呼ばれる方法で描かれています。パルチザン記念碑を構成する物体は直方体と多角柱のたった二種、練習題として最適です。
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視点から見通した各ポリゴンの端点の位置を二次元画面に透視変換(3行ほどのプログラムです)。新座標データを左回りにファイルします。ここで「左回り」が肝心、これで裏表が判別可能に、裏−つまり見えないポリゴンはゴミ箱行きになります。
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見えない図形を隠す陰線陰面処理は、遠くのポリゴンから順に重ね描きしてゆくことで行われます。ただしこの「遠く」の定義が大変、あらゆるケースを想定し、5個ぐらいの条件式で重なり具合をチェックしたと記憶しています。
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ポリゴンデータファイルを、遠い順に並べ替え。
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ポリゴンのレンダリング。光源の位置を決め、光線とポリゴンとの角度を計算して明るさグラデーションを数ランクに定義します。実はここから言い訳、当時のパソコンは同時発色数がわずか16色だったので、下書き用に3色取ると、この作例のようにとても割り切った描画となります。
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出力。パソコンに画像をコピーする機能がないので、以上のデータをファイルし、見たい時に出力していました。残っている画像は、カメラで撮影したものです。当時全盛のハードもOSも過去のものとなり、すばらしいCADが安く買えるかわりに、CADをつくる楽しみは失われました。

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