studio HAIYAMA
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1968年(昭和43年)竣工
広島ひかり園本館(旧館)/重度身体障害者生活授産施設
広島ひかり園設計グループ(広島大学工学部建築学教室)
社会福祉法人広島ひかり会
広島県佐伯町(現在廿日市市)

補強コンクリートブロック造1500u
       
 補助金の対象となる設計基準に準拠した基本計画案に物足らない法人クライアントと新進気鋭!の大学研究室が四つに組んだ大作。基本計画をスペースデザインと称する(設計ノートによる)手法によって換骨奪胎、今日、クラスター型と分類されるコミュニティータイプに到達している。                            

本館平面図/南立面図
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セピア色のアルバム
 
  広島市では車イス街歩きの先鞭をつけた広島ひかり園の人たちであったが、室内では「私たちも日本人ですから−」と椅子式生活を断固拒否、ほとんどの居住クラスターで座式トイレが選ばれた。街歩きの人気スポットベストワンは家電デパートのデオデオ(当時は第一産業)、立体的に使えない室内(2人室と4人室)で、どんどん増えて行く家財が床を狭めた。若い人(入居者もスタッフも若かった)がむしろ保守的と分かる。人間工学が役に立たない・・・このときの敗北感(人間行動の不思議にふれて案外爽やかだった!)が、後に私のライフワーク、日本的住居観研究の動機となった。

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 スペースデザインのマジックで生まれた中庭。自慢の張力構造テントであったが、2年後に台風でボツ、平凡な骨組テントに変わった。  後に美しい芝生で覆われ、スケール感と自律感を醸成したクラスターコート。居室棟の凹凸変化こそ住み心地の秘訣、と生態学になぞらえてユーザーグループを説得。法人には内緒にしたが、相応に暖房費がかかった。
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